寧推の日常

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 …とはいえ、一緒に勝摩は無罪だと否定してくれる協力者が居て欲しい。  私一人では出来ないこともあるし、私一人の力では「信用」という世の中無いと成り立たないといっても過言ではない力が足りない部分もあるし。  大多数の人から支持を集めている人を協力者に漕ぎ着けられたらいいのだが…有名人の知り合いなど私にはいない。  まずは、身近なところから。  などと思案した結果、一番頼みやすいという結論に至った、偉鳥に電話をかけることにした。  二十三時すぎにも関わらず、スリーコールで偉鳥は出た。  「…もしもし?」  「もしもし?あ、寧推?珍しいね、夜電話かけてくるとか。何どうかした?」  よかった。いつもの偉鳥だ。  そのことに嬉しくなって、ほっと一息付いた。  「ニュース。見たかもだけど…勝摩くんが、勝摩くんが、殺人よ」  最後まで言い切らないうちに、返答が返ってくる。  「あー何?そういうこと?寧推、勝摩好きだもんね…。悪いけど、僕は担降りしちゃったから…どうしようとか言われてもなんとも言えないし出来ないわ」  「え…でも偉鳥、ファイね好きだったじゃん…。いや、それは別にいいんだけど、政治とか法律とか詳しいよね?そういう知識とかほしいから…その…味方、してほしいなって思ったんだけど、」  「寧推…自分が何言ってるか分かってる?それって、私の推しの殺人容疑の無罪を証明するために、違法行為に手を染める片棒を担げって言ってるのと同じようなもんだぞ。え、そんなの嫌に決まってんじゃん。あのさ。ファイね何かと色々やらかしてきたし、今回は今までの悪事の極みかなって感じで、もう蛙化したわ。あと、お前さ…犯罪者に入れ込むとか、止めとけよ?そんなの、時間と金と能力の無駄遣いだからさ」  本日二回目の、ぷつん、となにかが切れる音がした。  
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