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そして沙羅の眼を見て小さく頷いた。沙羅も大きく頷いた。
勤は満面の笑みだった。
「お帰り結希、今日はとことん遊ぼう。」
【絶対に負けない、何があっても沙樹の許へ帰る】
勤はそそくさと全裸になり、
「ほら。」
と口にした。結希は仕方なく答えた。
「おお!久しぶりじゃ、今日は三回頼む、おおお〰。」
結希は玩ばれた。帰宅したその日は一睡もすることなく。
学校に行くと、
「お前、家出したんだって?どっかでやりまくってたんじゃねえ~の。」
男子達が寄ってたかって囃し立てた。そしてお尻や胸を撫でまくった。
結希は無言で教室を出た。後を追いかける男子生徒達が迫った瞬間チャイムが鳴った。
「チェ。」
男子生徒達は教室へ戻って行った。
結希は公園へ逃げた。
「ごめんね。」
亜江だった。
「いいえ、亜江さんこそ大変では?」
「大丈夫、何とかなる。それより平気?結希ちゃんは?」
「頑張れます。」
今までと違う返答に亜江は驚いた。
「そう、何かあったら電話しても良いからね。」
結希は毎晩求められた。
「うう〰。」
沙樹とは直接ラインでのやり取りだった。でも、沙樹には現実を伝えられずにいた。
病室で沙羅が
「沙樹、強い心で聞いてね。結希は実父にレイプされてるの。」
【くそ!またレイプ‼】
沙樹の脳裏にレーラが浮かんだ。
「レーラさんの事も合って、内緒にしていたんだ行けど、もし、また同じ事になった後で知るよりはいいと思って。」
「ありがとう、母さん。今度は絶対守る。」
「え?でもどうやって?」
「方法は必ずある。」
【我が子ながら、この強さ誰に似たのかしら?でも、動けないのにどやって?】
沙樹は何事も無かったかのように結希とラインを交わしていた。
〔で?今日は?何かあった?〕
〔ある訳無いだろ、病室で横たわるだけなんだから。でも、看護師さんのズボンがパンパンでショーツのラインが見えて興奮した。〕
〔え?反応した?〕
〔分かる訳無いじゃん。でも俺の武器はマグナムだぜ。〕
〔へ~,そんなにごりっぱなんだ。〕
〔おう、帰る前に見せてやれば良かった。〕
くだらない下ネタも話せる仲になっていたが、まだ、お互いに秘密を持っていた。しかしそれは既にリンクしていた。
勤がにやにやしながら結希に寄って来た。
「はい。」
結希は勤の前にしゃがみ咥えた。
「おお!」
結希はサッサと終わらせたかった。終われば触られずに済む、しかし勤はなかなか果てなかった。結希の身体のあらゆる所に勤の醜い手がむじ虫の如く蔓延るのであった。
「う・う・う」
痙攣しながら勤は果てた。
沙樹は網走にネットで仲間を募っていた。
でもなかなか集まらない状況だった。
「母さん、俺を写真で撮ってくれ。そしてそのデータを俺のPⅭへ送って。」
沙羅は沙樹の意とは詠めないが言われた通りにした。
「何をするの?」
「いや、結希に送りたかっただけ?」
沙羅は胸を撫で下ろした。
【この子は無茶をするから】
沙樹は沙羅が帰ってから行動に出た。
〔ピイ〕
全世界に沙樹の姿が晒された。
〔寝たきりの救世主から、愛のある皆さんへ、救いの手を網走へ。〕
っとメッセージを載せて。
一方、結希とは相も変わらずじゃれ合いのラインを交わしていた。
〔もう看護師さんの下着のライン見物は飽きたの?〕
〔いや、継続中。〕
〔スケベ!〕
〔男がそれを無くしたら終わりだ。〕
〔感じないくせに。〕
〔それを言っちゃあお終いだ。〕
〔だね〕
〔結希は毒吐くね~。〕
〔そう?そんな私は嫌い?〕
〔いや!心より思ってますよ。〕
〔え~?軽すぎ~〕
「おい。」
勤からの呼び出しだ。
〔ちょっと待ってね〕
結希からのラインが途絶えた。
【これって?】
沙樹は感じ取っていた。
「う~。」
結希は部屋へ戻り、
〔ごめん、待った?〕
〔良いよ。飯だろ?〕
〔うん、そう〕
沙樹は精一杯やせ我慢をしていた。
しかし、心の中は燃え上がり闘志に燃えていた。
解散総選挙が終わった。
「おめでとうございます。」
「ありがとう。」
沙樹の父は再当選を果たした。
「まだ無理だ。」
沙羅への電話だった。
「はい。」
沙羅は言葉を飲み込み堪えた。
沙樹は決行日を定めた。
三日後。
沙樹の晒した写真には世界中から同情の声が寄せられていた。
〔お前、無理しすぎじゃねえ〰?〕
半示からだった。
〔でも、同じ過ちは繰り返したくない〕
〔あの時だってお前は精一杯頑張っただろう。それが今の結果だ。心配してるんだよ!〕
〔分かってるよ。悪友、でも決めた。明日だ。〕
〔え?〕
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