2人が本棚に入れています
本棚に追加
橘由紀の場合
「あ、碧くんまた寝てる」
私の名前は、橘由紀。
突然だが、ある男子に恋をしている。
それは、私の幼馴染の藤原碧くん。
「お~い碧、そんなに寝てると成績下げるぞ~」
と、先生が脅すと
「や、やめてください!!起きます、起きますから!!」
マッハで碧くんが起き上がる。
すると、教室は笑いに包まれる。
「ふふっ、今日も元気だねぇ」
これが私が好きな彼の一面だ。
~放課後~
「ふぅ、よし!帰るか!」
私は基本、一人で家まで帰っている。
とくに仲のいい子もおらず、隅の方でじっとしているからだ。
「まぁ、友達作ってろくな事ないしね」
そう、私が友達を作らない理由は過去に苦い思い出があるからだ。
だいたい察しも付くと思うが、友達だと信じていた子に裏切られていじめられていた。
私は学校に行くのが怖くなり、ずっと家に引きこもっていた。
そんなときに絶望から救い出してくれたのが碧くんだった。
幼馴染で家も近かったことから、毎日学校のプリント類や今日あった出来事などを教えてくれたのだ。
これも彼を好きになった理由。
こんなこともあってか、私はまた学校に通うことができ始めた。
本当に感謝しかない。
でも、高校生になったからなのか、最近話すこともなくなった気がする。
碧くんは陽キャさんたちとつるんでいるし、私は放課後になるとすぐに帰ってしまうからなのかもしれない、まぁ、思春期特有のものかもしれない。
私はいつか彼に告白しようと思っている。
まだ、勇気はないけどいつか、心構えができたら告白、しようかな
そのときは味方してよね、神様。
【橘由紀の場合①】終
最初のコメントを投稿しよう!