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5知らない歌
毎日いじめられていたお嬢様、今は楡の木の下に埋まっている。今でも悲しい歌を歌って、使用人たちを恨んでいる。
教えたことがない歌を、従姉妹のエミリーがお茶の時間に歌うから、おばさまがびっくりして、せっかく淹れたロイヤルミルクティーが入ったティーカップを落として割ってしまいました。
スコーンを割ると同じ歌が聞こえてきて、まだ小さな従姉妹は大喜び。おばさまは頭を掻きむしって、止めて止めてと叫び出してしまって、お茶会は台無し。
従姉妹はいまおじさまと暮らしています、おばさまはどこに行ったか教えてくれません。昔のことって、どこでバレるかわからないものだねと、お父様は悲しい顔をしていました。
おばさまはお母様と同じ学校だったから、きっと先生たちはご存知でしょうね。
楡の木はもっと詳しくて、生徒たちを見守って、秘密を抱えてすくすくと枝をしげらしているにでしょうね。
ねえ、エミリー。
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