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「ただいま!」
高校から帰宅したミヤビは勢いよく玄関のドアを開ける。彼女を出迎えるのは、エプロン姿のルーシーだ。
「おかえり、ミヤビ」
「ねえルーシー聞いてよ、内部進学組の私達に、今日から途中入学の人達が何人か入ってきたんだ! 何人かと喋ったんだけど_」
久しぶりに見る、生き生きとした姿のミヤビに、ルーシーは嬉しそうに笑顔を見せる。
「それでねそれでね、今日一緒に街に遊びに行く約束したの! 楽しみだなー」
「でも、今日は塾の予定でしょ?」
そう言うルーシーに、少しムッとした表情で頬を膨らませてミヤビは答える。
「良いじゃん今日くらい! まだ四年生になったばっかりなんだからさ。普通の高校生で言うならまだ一年生だよ?」
「そうだけど、お母さんになんて説明するの? 中学はダメだったんだから、大学は絶対に第一志望に受からせるんだって、毎日言ってるよ」
「嘘ついちゃう。ふふふ。大丈夫、大丈夫。今日だけだから。内緒だよ、命令だからね」
ミヤビはウインクをして、軽快な足取りで自分の部屋へと向かう。
「しょうがないなあ……。いつの間にかちゃんとAIの仕組みも理解してきたみたいだね」
「えー? 何のことー? ははは」
2階からミヤビが笑い返す。それを聞いたルーシーも笑顔を浮かべていた。
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