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そして小学校に入ってからも、しょっちゅう恋をしていた。
一年生の時が陽子ちゃんと春香ちゃん。
二年生の時が夏希ちゃんと由紀ちゃんと美優ちゃん。
三年生の時が海ちゃんと穂香ちゃん。ちなみに海ちゃんは、マリンちゃんと読む。初見の先生が必ず「うみちゃん」と呼び、「マリンです……」と本人が渋々訂正している姿が印象に残っている。
四年生の時が鈴香ちゃんと真由美ちゃん。
五年生の時が凛華ちゃんと舞ちゃん。
六年生の時が凛花ちゃん。
四年生の頃から、毎回『りんか』ちゃんがエントリーしてくる。なんだろう、『りんか』の響きに弱いのだろうか。
そして珍しく、凛花ちゃんに関しては六年生の間を通してずっと好きだった。我ながら惚れっぽいなと思う僕史上、一年間を通して好きだった女の子は凛花ちゃんが初めて。
顔が可愛かったのはもちろんだが、六年生が始まった時に、
「うなぎ君をいじめるのはやめなよ!」
と言ってくれたその優しさも大きかったんだと思う。
でもその一言のおかげで、周囲から、まるで僕がイジメを受けているかのように思われた、というデメリットもあったのだけれど。優しさ、諸刃の剣。
僕はいわゆる愛されキャラってやつで、ただちょっとイジられてるだけなのに。そう、イジられてるだけ。認めたら負けだ。
なお僕には強い味方がいる。インスタントラーメンという強い味方が。
僕は何か辛いことや悲しいことがあった時は、必ずインスタントラーメンを食べるようにしている。ラーメン屋のラーメンでもなければ、カップメンでもない。インスタントラーメンがとにかく大好きなのだ。
特にお気に入りなのが『塩とんこつ』と『みそ』。最大のストレス解消であり、どちらか食べられれば大満足、両成敗した日には至福どころの騒ぎじゃない。告白してフラられた時なんかは、快刀乱麻の大活躍をしてくれる。僕にとって、もはや薬だ。
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