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【第1話】
まずは、僕の小学校から高校までの恋愛遍歴を、ちゃちゃっと語ってみたいと思う。
*****
僕は、みんなから『うなぎ』と呼ばれていた。もちろん渾名だ。姓にしろ名にしろ、そんなおかしなものがあるわけない。
……なんて思って調べてみたら、『鰻』という名字の世帯が全国に十以上あるっていうから驚きだ。
世の中は広い。これは下手したら、下の名前でもあるのかもしれない。『串田うなぎ』とか『蒲家うなぎ』とか『浜松うなぎ』とか。
名字に持っていかれて、雰囲気でそんな名前をつける親、いそうで怖い。親なんてものは、本当に勝手な生き物なのだから。
ちなみに僕の渾名の由来は、単に僕の動きがクネクネすることが多かったから。決してヌルヌルしているわけではない。
おかげで小学校の時も中学校の時も、オカマだなんだとよくイジられてきた。
「うなぎー! 好きな男子の名前言ってみろよ~! お前、オカマなんだろ~?」
なんというデリカシーのないイジリだろう。からかい文句にデリカシーを求めるのもどうかと思うけど。
一応断っておくと、僕は女の子大好きなノーマル男子。むしろ普通の男子よりマセていて、初恋は幼稚園前にきっちり済ませてある。
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