夜の底の花

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夜の底の花

 店は寂れた昭和のスナックの趣で、摺ガラスのくすんだ赤色のドアの奥に、うっすら灯りが見えた。ドアを開け薄暗い店内に入る。カウンターとボックス席が一つ程度の、狭い店だった。  カウンターに、白いワンピースを着た女が立っていた。 「いらっしゃい。見つけたのね」
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