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学校の怪談
小学4年生の青山夏男と勝田理子は、夜中の旧校舎に忍び込んで肝試しをすることになった。先生の誰かが落としたのだろう。たまたま、夏男が廊下で旧校舎の鍵を拾ったのである。
鍵の束には、(旧校舎)のタグが付けられていた。
この時の夏男達はこれから、恐怖の体験をすることになろうとは、夢にも思わなかっただろう。
◇ ◆
草木も眠る丑三つ時……。
夏男と理子は、おおざっぱに旧校舎の教室を回り、夜中の学校を楽しんだ。
「なんだ。夜の学校も、大したことがねえなあ!」
「そうね。そろそろ、帰ろう」
夏男達が高をくくって、給食室の前を通りかかった時だ。
ぽこん、ぽこん……ぷくぷく……。
給食室の方から何かが、浮き沈みする音と、かき混ぜる音がしてきた。
「誰もいないはずなのにどうして?」
理子が不思議に思い、恐る恐る夏男と給食室を覗いてみた。
◇ ◆
すると、そこには大きな鍋に無数の目玉が、煮込まれている所だった。
「うわっ!」
「ぎゃあっ!」
夏男と理子は、真っ青になり、短い悲鳴をあげると入口から逃げ帰った。
次の朝、クラスの朝の会では担任が。
「青山君と勝田さんは、昨日から高熱で寝込んでいるそうです。」
とクラスの皆に伝えていた。
夜中の旧校舎だけは、遊び半分で行ってはならない。
(終わり)
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