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英二さんは、とべぞう君をはじめとする私のコレクションを実際に手に取り、鑑賞したいと言った。
「もちろん、いいですよ。ぜひ、見に来てください」
私が快諾すると、彼は喜ぶというより、なぜかびっくりしている。
「いいのか?」
「ええ」
「本当に、いいんだな」
「は、はい??」
何度も確認するので不思議に思う。
でも、彼が大きく息を吸って呼吸を整えた時、私はハッとした。
いいんだな――というのはつまり、『部屋に上がってもいいんだな』と、確認したわけで……
(えええ? そうだったの? ちょっと待ってください、そんな……!)
彼と離れるのは寂しい。
そう感じていながら、いざとなってうろたえまくる私。
平静を装っても、指先が震えている。
ワンピースの胸元を押さえるけれど、速くなる鼓動はどうしようもなかった。
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