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太陽が僕を焼く。視界をノイズが走って、ややあって僕は死ぬ。最期のとき、僕が見たものは、あの水の塊がほんの少し僕に向かって揺れるそんな景色だった。そよ風が吹いたのかも知れなかった。地面が揺れたのかも知れなかった。でも何でもよかった。少しでも彼女が僕に触れようとしてくれたのだと思うと、それだけで良かった。
ぷつん、と切れた意識の向こう側でいつか、遠い遠い昔に聞いた彼女の笑い声が聞えた気がした。僕は、それだけで幸せだった。
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