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「おかえりなさい」
「あれ…なにこれ」
「生け花です。他の先生と一緒に展示会に出すことになりまして」
リビングの机に、立体的に花を生けられてる。周りには切った茎が散らばっていた。零は立ち上がって眺めてる。
「カーペットの上なんだけど」
「…あ、そうでした」
「零、そんなに急いでたんだ」
「…急に決まりまして…すみません…」
「ううん。頑張って」
「…ありがとうございます」
ぎゅっと抱きしめられた。
「頑張ります」
再び作業に零は戻る。生け花できたとか知らなかったな。これは、パフォーマンスとかもできそうなレベルだ。書道家と自称してるけど、なんでもできすぎる。
さてご飯を作ろう。零はハンバーグとか食べたことあるかなー?給食で出る?小学校は青森でしょ?…わからない。
「終わりました」
調理中に零がやってきた。
「よかった。ちょーど焼けるところ」
「なんですか?それ」
「ハンバーグ」
「え!すごいです。それは家で作れるんですね!」
「作れるよー」
それから、生花作品を見た。
なんじゃこれ。なんでこんなものができるんだ?
「ご飯は、この段ボールで食べよ」
零の荷物はまだ片付け途中。で、いらない段ボールが発生している。つぶしてないやつを使う。
「あ、そうですね…すみません、散らかってて」
「ううん」
零の腕にしがみつく。
「さっちゃん、なにかいいことあったんですか?」
「仕事が増えたんです〜」
「それは素晴らしいです」
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