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目が覚めたら、畳の部屋。あ、ここはお茶の教室だ。
「大丈夫ですか?」
「…うん」
どうやってここにきたんだ?毛布着せられてた。かぶってた帽子は取ってある。髪の毛がピンクで目立つから被ってるけど、別に派手な色の人なんていくらでもいるし、関係ない。サングラスはカバンに入れたままだったけど、カラコンしてないしバレないでしょ。
「さっちゃん。勝手に抱き抱えてすみません」
「…そうだったっけ…?」
ゆっくり起き上がりながら考える。
「すみません、勝手に触れて」
「…ううん」
「…さっちゃん、やっぱり…僕、さっちゃんが本当に好きです。一緒に、いたいです」
なぜ今なんだ。弱ってるからいけるとでも?
「不倫はしたくないってば」
「別れます」
「子供いるのに」
「…子供は好きです。でも、僕は養育費を払っているだけなんで、父親として見られていません。…すみません、僕、最低ですよね」
なんで泣いてるんだ。
「迷惑なことしか言えないし、僕は本当にダメで。さっちゃんと会って、話している時間が本当に楽しくて…」
「零は、辛い?」
「…寂しいん…です」
それは、初めて聞いたなまり。東北っぽい?
「私も寂しい。零といたい。でも不倫したくない。じゃーどーすればいいの!」
「…別れます。だから、僕と、付き合ってほしいです…」
結婚して、子供がいて。でも零は寂しくて辛そうで。大人ってわからない。
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