教えて先生

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教えて先生

「すごぉーなにこれー」 帰ったら部屋は文字を書いた紙だらけ。零は床に座って紙を見ているためか、無視。 「零、ただいまー」 「わ、さっちゃん!おかえりなさい」 抱きつかないと気が付かないとか。集中していたようだ。 「すみません、散らかして…」 「綺麗な字だね。練習してるの?」 「…個展に、出す予定で。でも、うまく書けなくて」 「じゃ、これいらないの?」 「…はい」 「ならさぁ、まとめておこうよ。箱…えーっとーこれあいてる。これに入れて」 「…怒らないんですか?」 「なんで。いいから、それやっててね。ご飯作る」 「ありがとうございます」 零はさっさと取り組む。キッチンにはちゃーんと洗ったお茶碗が所狭しと並ぶ。重ねていいのよー。それを拭いてから片付けて、あ、制服着替えなきゃ。 零は全ての紙を拾い終わっていた。書道の道具の片付けをはじめたようだ。ジャージに着替えた私は、料理開始ー 「さっちゃん、いつも料理をされるんでしょうか?」 片付け終わった零はキッチンの前にやってきた。 「そうだよ。昼何食べたの?」 冷蔵庫に入れてあるもの食べていいと言ってたけど、減ってなかった。 「食べていませんでした」 「…食べ忘れ?」 「はい、集中すると忘れます」 「私のお昼は学食。寒いから今日はシチューにします」 「…シチューは家で作れるものなのですか?」 「家で食べてないの?」 「はい。和食なので」 「え〜なにそれ?決まりなの?」 「いえ?なぜか…」 なぜ?
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