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今日僕たちの学校は入学式。一年生のものとは別に、僕たちの新しいクラス分けの紙が廊下に張り出された。僕は去年と変わらず一組。
みんな自分の名前を見つけて騒ぎ出す中、僕だけは自分の名前を見つけた後も、クラス分けの紙を見ていた。自分の以外にも、クラスを知りたい人がいる。
僕の名前を一組の名簿に見つけてすぐ、二組の名簿に目を向けた。僕の名前が一組にあったなら、一組の中は探しても意味がない。何故なら、あの人は絶対に僕と同じクラスにはならないからだ。
先生は、クラス分けは成績で決めるとかなんとか言うけど、僕たちを違うクラスにすることには抜かりない。まあそれが当然なんだろうけど、僕にとってはいい迷惑だ。
名簿を六組まで見終えたけれど、まだあの人の名前はない。七組の名簿に視線を合わせて、女子の欄に目を走らせる。
「……あった」
二年七組、高橋茜。この学校は七組までだから、廊下の端と端。一番遠いクラス。せめて隣のクラスだったら、廊下ですれ違う回数も多かっただろうに。
「葵、何組だった?」
一人で落胆しているところに、肩に誰かの手が触れる。それと同時に後ろから声をかけられた。振り向かなくても分かる、これはあの人の声。
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