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それから一週間と少し過ぎて、今日は健介の練習試合の日。レギュラー入りを左右する、大事な試合だ。
健介に頼まれて、僕は茜を連れて試合を見に来ていた。レギュラー入りがかかった試合だということも伝えてある。場所は僕達が通っている高校のグラウンドだから、分かりやすくていい。
「健介ー!」
予定より早めに着いた僕達は、ちょうど休憩時間らしい健介の元へと向かった。そういえば、健介のユニフォーム姿を見るのは久しぶりかもしれない。
「健ちゃん、試合頑張ってね」
「おうっ」
茜が健介に笑顔を向けると、健介もそれに笑顔で答える。なんていうか、二人共微笑ましいよなぁ。
「健介、ちゃんとレギュラー入り決めろよな」
「あぁ」
健介の目をまっすぐに見る。健介もじっと僕を見ながら、すべてを決心したような声で返事をした。
レギュラー入りをしたら、茜に告白。
僕はそれが叶うように、心から応援しているんだ。二人が付き合い始めたらきっと、僕は茜を諦めきれる。自分勝手だとは思うけど、健介には頑張ってもらわなくちゃ。
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