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Prologue
2045年 8月23日
中国・重慶市。
大都市の中心部をエリアとし、戦いの舞台に行われた第九回『バトルフィールド』。
その地に集まった30人。
傭兵、暗殺者、元兵士など裏家業では知らぬ者はいないビッグネームが名を連ね、最後のひとりになるまで殺し合う5年に一度の祭典。
優勝者には莫大な賞金が与えられる。
世界中で一部の人間しか知らないその大会は、通常の生活をしている市民の溢れる街中で72時間に渡って繰り広げられる。
30人の体内には、高性能GPSと小型の爆発装置が内蔵したマイクロチップが埋め込まれ、常に運営本部に管理をされており、逃走や重大な違反を行ったものは粛清される過酷なゲーム。
市中には約5万台の監視カメラが設置。
それを眺めているのは世界中のVIPや大富豪たち。
この祭典の本来の顔は、この人間たちによるギャンブルである。
72時間のうちにアメリカの国家予算にも匹敵するビッグマネーが右へ左へと飛び交う。
ダークサイドの極みの果てにたどり着いた至高の娯楽。
それがバトルフィールドである。
それを主宰し運営するのが、世界の戦争や紛争の火付け役と悪名高き『アンドロメダ社』。
人類史上、最大にして最強の死の商人。
世界一の軍事産業として独自の軍隊も保有。さらに様々な兵器の開発から販売を、ありとあらゆる国家と取引をして財を成した無国籍企業。
CEOのジェームズ・ベロンの作り上げた人脈は世界中のVIPとの最強のコミニケーションラインを構築した。
このアンドロメダが手掛ける5年に1度の祭典は、2大会前に秘密裏に誘致され、10年の歳月をかけて準備が進められてきた大事業。
もちろんこの後の5年後と10年後の準備も進行中である。
重慶の中心で72時間を5時間も残して勝者が決まった。
九回目の開催で初の女性優勝者。
そしてまた次の五年後に向け、新たな新客が誕生するのである。
バトルフィールド。
過酷で残酷な大会は進化を見せながら未来へと続いていく。
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