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エレベーターの静かな稼働音を聞きながら。
(私は別に千晶さんが御曹司とか関係なくて。千晶さんだから好き。別に千晶さんが何者でもいい)
そう思い千晶さんの顔を見つめてしまいそうになるけども、さっきの男性が押したボタンが光っていて。
そちらを見ると、35の数字のボタンが光っていた。35より上の数字はない。
看板を見たときからまさかとは思っていたが。
ここまでくればもう、流石にわかる。
エレベーターの内装さえ豪華なこの場所は。
(これは高級タワーマンションに違いないっ! 千晶さんの新しい引っ越し先かな。それとも私との新居だったり──)
まだ確信はないけども期待してしまう。
でも、こんな立派な場所じゃなくても別にいい。千晶さんと一緒に居られるならどこでも嬉しい。
なんてつい考えて口に出してしまいたくなるけども、まだ喋ることは躊躇ってしまい。
千晶さんを何とも言えない気持ちでじっと見つめると、視線に気付いた千晶さんがゆっくりと口を開いた。
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