〜エピローグ〜

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千晶さんは少し苦笑してから。 「結佳、あとちょっとだけそのままで。少しだけこのマンションの事を説明させて欲しい」 その言葉に頷く。 「この地域はね三年前ほどから都市が街づくり計画としてエリア分けをして土地活用が行われている場所。ここは居住複合エリアになっていて今後も周囲にマンションが建設される土地だ」 それでもここが一番高く。今後のラウンドマークになるようだと、付け加わえて。 「そして周囲にある医療機能と機関を連携し、より住みやすい空間を整備して行ってるそうだ。駅の反対側には直ぐに大型スーパー。商業施設があった。仕事帰りとかに買い物しやすいと思う。ここも一緒にまた買い物に行こう」 (──この説明はやっぱり私と住むため?) 胸がドキドキする。 「その他にも西側には学校などのスクールエリアもある。広い緑地公園は街づくりの動向を見つつ、住みやすくなるように。更なる土地の利用転換も検討されている場所で住みやすい街だと思う」 (駅からも近いし、仕事へのアクセスも良い。こんな住みやすい場所に引っ越し出来るなら素敵過ぎるっ!) 千晶さんの説明を聞いて、喋りたいけど我慢する。 その代わりに感激と説明へのお礼の意味も込めてパチパチと拍手を送った。 千晶さんがにこりと笑ったのと同時にエレベーターは最上階に着いた。 そうすると千晶さんは私の手をスッと引いて、エレベーターを出た。 出たフロアはモダンなブラウンとゴールドの配色が目に優しく。 ライトの加減もやや落とされていて居心地の良い空間が広がっていた。
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