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「エッチの練習をさせて」はフラグでしかない
中学のころ、俺の恋愛対象が男であることを友人のオズマに打ちあけた。
それからオズマの態度は変わらず。
俺から愚痴ったり相談したりすれば、話を聞いてくれるが、おおげさに理解があるふりをしたり、逆にからかったり、茶化したりはしない。
気をつかいながらも気をつかっていないように見せかけているのだろう。
そのスマートさ、心の広さに惹かれて、高校にあがったころにはオズマに好意を。
といって、いざ告白したら「は?」と頬を引きつらせるかも。
どうしても、マイナスイメージしか浮かばず、勇気が持てなくて、友人のふりをつづけていたのだが。
ある日、俺の家にオズマが遊びにきたとき。
たまたま親が外出して二人きり。
どきどきそわそわしつつ、友人の皮をかぶってゲームに意識を集中。
一段落ついて、ゲームを中断し、二人でジュースを飲んでいたら、ふとオズマが口を切った。
「なあ、エッチの練習させてくれないか」
俺がジュースを噴きだしたのはいうまでもない。
ジュースを拭きながら聞いたところ、オズマが恋する同じクラスの高橋さんと恋仲になりそうなのだと。
「高校生にもなれば、その、エ、エッチなこともしたくなるだろ。
で、そうなったとき、彼女にがっかりされたり、呆れられたくないんだよ。
イメージトレーニングしているけど、それだけじゃあ不安で。
ほら、おまえ、まえに経験済みだし、自分は女役だって云ってただろ。
だから経験者として、実践を交えて教えてくれないかなって」
「過去の自分!」と悔いたとはいえ、これはチャンス。
練習だろうとなんだろうと、体を重ねれば、割りきれなくて相手を意識するというもの。
「エッチの練習をさせて」はフラグ。
遠くない未来、俺とオズマが結ばれるのが、ほぼ確定となれば、この言葉を無下にはできない。
嘘を通して指南役をやり遂げ「シンジとのエッチが忘れられない!」と思わせないと。
はじめの一歩として「いいよ」と笑ってみせ、手をとりベッドへ。
オズマの胸ぐらをつかんで引っぱり、押し倒された形に。
かるく唇に口づけをし「まずは、唇や頬、首にバードキスをするんだ」と第一段階の指南を。
従って、ちゅっちゅするのを「そう、うん、いいよ」と褒めつつ、鼓動は乱れまくり。
俺だって未経験だし、練習なれど恋する相手に前戯をされているのだから。
お盛んな年ごろでもあって、抑えきれず。
顔を止めたオズマが「あれ?おまえ・・・」と気づいたよう。
慌てて「お、俺、感じやすいから!」と言い訳。
「じゃあ、おまえみたいに彼女が反応したら、キスしながら触ったほうがいいのか?
その練習もしたほうがいい?」
「いやいやいや!高橋さんは股間に生えていないだろ!
そ、そこはいいから、胸!
キスをしつつ、やんわりと胸を揉んだり撫でるんだよ!」
俺のを触って萎えて中断の危機を避けられてほっと一息。
のもつかの間、従順なオズマに胸をまさぐられて「は、う、くう・・・!」と声を漏らしそうに。
教えていないのに、布越しに乳首をいじってくるし。
指で弾かれて、腰を跳ねたら、股に固いものが当たって。
「え」と目を見開いたと同時に舌をねじこまれ、腰を押しつけられた。
ほんとうに未経験で、男相手でも抵抗感がないのか。
ぐちゅぐちゅと濃密に舌を交わらせて、二人の固いのをごりごりと勢いよく摩擦。
指南役のくせに、童貞に翻弄されまくり、股から水音を立て「やあ、あ、ふ、うう、つうっっ!」とついには射精。
気づいたオズマが体を放すも「おまえ、いつもこうなの?」と意外な感想を。
「エッチのときのおまえ、かわいんだな」
「もうフラグでしかないだろ!」と叫びたいのを堪えて「う、うるさい・・・」と息を整えてから「じゃあ、つぎこっちな」とズボンと下着を脱ぐ。
「女と男じゃちがうけど、実践したいんだろ?」と尻の奥にオズマの指を持っていき指南再開。
さすがに拡張は、初心者のオズマではままならず。
「そ、ゆっくり、ぐう、あ、強すぎ」と顔をしかめながらも、導いていたら、萎えたままのが急に絞めつけられて。
精液まみれのを、オズマの手がにぎりこんでいる。
それを目にしたとたん、膨らませてしまい、顏を熱くして「だから、いいって・・・!」と叫ぶも「だって、見てられないよ」とぬちゅぬちゅ。
「高橋さんがもし痛がったら、こうして気を紛らわしたほうがいいんじゃないか?」
「そ、そだけど、はあ、あう、オ、オズマ、は、いいの、手が、俺ので、よごれ、ひいああ、そ、そこお、あ、あ、あ、ああ、も、放してえ・・・!」
覗きこみながら拡張の練習をしていたオズマの頭に精液が。
血の気の引く思いがし「ご、ごめん!」と起きあがろうとしたが、強く肩をつかまれ、ベッドに沈む。
「やっぱ、おまえ、かわいいな。
おまえの恋人が羨ましく思えてくる」
発情した雄の顔をまざまざと見せつけ、童貞のくせに遠慮なく突入。
鼻息荒く興奮するまま、遮二無二腰を打ちつけ、たぶん初心者だから、下手くそなのだろうが。
恋焦がれる相手の一物を咥えただけで感無量だし「かわいい」と褒められもして、身も心も狂喜。
すっかり自分の役目を忘れ、ろくに導こうとせず、押しよせる快感に泣いて悶えたもので。
「か、かわい、なんて、ば、ばかあ、俺、勘ちが、しちゃ、ふあ、あん、ああん、お、俺こそ、羨ま、し、はうん、ああ、ああ、オズマ、ちんぽ、い、い、いい、しゅごおい!」
エッチの練習をして二週間、気まずさを引きずり、それを経てオズマに告白された。
抱きついて「ありがとう!高橋さん満足してくれたよ!」と。
この二週間、距離をとっていたのは、オズマが俺を意識しだし、戸惑っていたから。
ではなかったよう。
短い間に忙しく、告白、デート、エッチをして、俺にかまえなかっただけで。
見事、空ぶりして、フラグが回収されなかったのに肩を落とすも「おまえに感謝してもしきれない!」ととびきりの笑顔を見れたに、まあ、よしとしよう。
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