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エログロのホラー映画で発情するお前の神経を疑う
芝崎は大学で知りあった友人。
且つ、ホラー同好会で意気投合したホラー映画大好仲間だ。
親しくなってからは週に一回、芝崎の家で夜通しホラー映画祭りを開催。
お互い「これぞ!」と思う作品を見せあっこ。
メジャーなゾンビ映画から、無名のB級、ネットで公開している素人の作品まで、なんでもござれ。
なかでも今回、柴崎がセレクトしたのはとっておきの作品。
絶版になった昔の映画で、やっと手にいれたという幻の逸品だとか。
「実録『俺の恋人はだるま女?』」。
「都市伝説はほんとうだった!」と銘打っての実話を基にした映画という。
主人公は会社勤めをする二十代半ばの男。
彼には結婚を約束した恋人がいたが、外国にいったまま行方不明。
二年経っても、なんの進展もなし。
外国で起きたことだけに、どうすることもできず、やきもきしながら、日々を送っていたら、出張でその外国に赴くことに。
仕事の時間以外は、彼女の捜索をしようとしたものを、強引な先輩に見世物小屋につれていかれる。
その小屋で、見世物として並べられていたのは奇形の人間。
大人サイズの顔に子供の体つきをした男、一つの体に二つの顔を持つ女など。
目をそむけたくなる奇形の人人だが、よく見ると、子供がマスクを被っていたり、作りものの顔を頬にくっつけていたり。
みんな小道具を身につけ装っていたが、一人だけちがうような。
小屋の主人に「だるま男」と説明された、付け根から手足が切断された、胴体と顔しかない男。
手足がないよう見せかけるのは難しいし、精巧な人形なのか?
しげしげと見ていると主人が指で輪っかをつくって曰く。
「だるま女もいるよ。
だしてくれれば、いいことできるよ」
「ひい」と身をすくめた先輩が逃げるのを「安くしとくよー」と追いかける主人。
遅れて彼も小屋をでようとしたら、奥から女の悲鳴が。
彼の耳には、失踪した恋人の声に聞こえたらしい。
吸い寄せられるように小屋の奥に歩いていき、カーテンの隙間から覗くと・・・。
グロに耐性がある俺でも、覗き見たエログロシーンを直視できず。
芝崎の腕にしがみつき、固く目をつむって震えながら「これアダルトビデオじゃないの!?」と文句をぎゃーぎゃー。
まだまだ女の泣き叫び声が聞こえるなか、画面に見いっているのか返事なし。
「どんな顔しているんだ?」と瞼を上げたところで、見あげるまえに、ズボンのもっこりを目撃。
「なんでだあ!やっぱり、騙してアダルトビデオ流したのか!?」と吠えて、離れようとしたら、ソファに押し倒された。
俺の股に、ズボンの膨らみを食いこませて。
「この狂った変態!」と叫ぶのを「いやいや」とにこやかに応じる芝崎。
「ホラー映画には、もともと性的なことに結びつけてのシーンがあるだろ?
B級だと露骨に、クリーチャーが女を犯しているのを示唆するシーンが目につくし。
おまえだって、地球外生命体が人間のお腹に卵を植えつけるシーンをガン見してたじゃん。
口から太い触手を突っこまれて、卵を飲まされるのを見ると、まあ、いろいろ想像しちゃうよなあ」
そう意識したことはないが、指摘されると、否定しきれない。
反論にまごつくうちに、ホラー狂の変態に、ズボンのもっこりではあはあ擦りあげられ「ああ、くう、はあ・・・!」と喘ぎを殺せず。
「とくに、男が卵を植えつけられるの、興奮しておまえ見ていたよ。
ふふ、おまえも、卵を飲まされてお腹を膨らませたいんじゃない?」
まんまと言葉に煽られて、俺もズボンを張りつめ、お漏らしまでしてぬちゅぬちゅ。
「や、やめ、やあ、ああ」と顔をふるも、にやつく芝崎はシャツの下に手を滑りこませて。
「そういえば、あの地球外生命体、男の胸を噛みちぎっていたな」と乳首をつねったのに「やあ、はああう!」と射精。
まだ「なーんてな」とわるふざけで済ませてもいい段階だが。
ホラー映画でも一、二を争うエログロシーンで勃起する、まさにホラーな存在の狂人が手を止めるわけがなく。
俺が注目するシーンがどれだけ性的か、囁きながら、指で尻の奥を拡張。
ふだん自慰でいじっていたのが仇となり、言葉責めにも追い討ちをかけられ、あっという間に二回目の射精。
満を持して芝崎は下半身を露わにしたものを、大人のおもちゃを挿入。
使用経験ありの俺はまんまと、あんあん悶えて、精液を垂れ流し。
しばらく、そんな痴態を眺めてから「ほーら」と芝崎の蒸したのを顔に突きつけて。
「俺がおまえのお腹に卵を植えつけてやるよ」と口に突っこんできた。
いや、唇を閉じればいい話。
さんざん言葉で煽られて、洗脳でもされたか、深く咥えこんで夢中にしゃぶしゃぶ。
みっともなく腰をふって、大人のおもちゃにもしゃぶりしきながら、「卵!卵!」とばかり、一物に吸いついたもので。
「ふぐ、うう、く、あ、は、ぷはあ、ああん、おっき、あ、あ、ああ、卵、きちゃ、く、むふう、ん、くふ、むぐうううう!」
事後にわるびれなく芝崎が告げたことには「俺とおまえは趣味があうし、体の相性もいい最高の相棒だな!」と。
対して「いや、一線を踏み越えそうな変態の相棒なんてごめんだね」と吐き捨て、おさらば。
以降、芝崎を避けつづけ、気になっていた女子に告白、交際、エッチをして、健全な学生生活を。
送ることはできず。
一人で観るホラー映画は興ざめだし、彼女は「こわいのきらーい」と拒否するし。
認めたくはないが、エッチが圧倒的に物足りない。
補うため自慰をすれば、つい、あの正気の沙汰でない夜を思いだしそうになるし。
もし、芝崎が泣いて土下座をすれば、仲直りをしてもいいのに。
俺といなくても、どこ吹く風とばかり、意気揚々と学生生活を送っているふりをしやがって。
きっと俺が焦れているのを見透かし「さあて、どうするかね?」と試すような真似をしているのだろう。
その手には引っかかるかと思いつつ「あの絶版になった映画をもう一度」と求めてやまない心を抑えるのも、限界に近そうだ。
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