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失恋した俺は桜の木の下で彼に慰められ搾りとられる
長年友人だった重雄に告白をしてフられた。
「おまえを人として好きだけど、エッチができない、だから・・・」
傷心のまま、車に乗って走りだした俺は、夜の山道へ。
途中で車を停めて、舗装されていない細い道をとぼとぼと歩いていき。
暗い林を歩くことしばし、にわかに視界が開け、そこには小さい丘が。
てっぺんには、太い幹の桜が華麗に咲き誇り、夜空に浮かぶ丸い月が静かに照らしている。
丘の辺りだけ山の木がくりぬかれたような、不思議な場所。
見つけたのは、去年の秋のこと。
重雄とキャンプ場を探して、迷ったときに。
木に詳しい重雄が「これ桜の木だ!」と興奮して告げたことには。
「丸い月の下、丘にぽつんと立って咲き誇る桜は、さぞ幻想的だろうな!
来年の春に、満月の日を狙って、またここにきてみようせ!」
「二人だけで!みんなには内緒にな!」と屈託なく笑ったのが思いだされて、涙をはらはら。
腕でぬぐって、あらためて桜を見あげたら、木のそばに人がいるのを発見。
とても今の状態で人とは会いたくなく、引きかえそうとしたが、女物の着物が目にとまり、踏みとどまる。
体格や、裾から覗く首、腕の太さからして男。
怪しむより、好奇心が上回って、ふらつきながら桜の木の下へ。
あと五歩というところまで近づき「あの、すみません・・・」とおずおずと声をかければ、なんと振りかえったのは重雄。
重雄らしからぬ妖艶な笑みを浮かべて、無重力を跳ぶように一歩で俺の元に。
「待っていたよ」と手で頬を挟み、顔を接近したのに、足をもつれさせ転倒。
倒れた体に馬乗りになり、ほほ笑みながら見下ろす重雄が、本人でないだろうことは百も承知。
が、同じ顔で着物を肌蹴て、迫ってこられれば、体温が上がるというもの。
「ずっと一人で待ちつづけて寂しかった。
あなたも今、ひどく孤独に苛まれているんだね」
「二人で寂しさを埋めよう」と口づけしようとしたのを「いや、その・・・!」と慌てて遮る。
心が揺れなくもないが、どうしても疚しさが拭いきれず。
その葛藤が伝わってか、彼は身を引いて、でも、真顔になり「春樹」と名を口に。
とたんに激情が湧き、勢いよく起きあがって彼を押し倒した。
股に固いのが当たるのに舌打ちをし「エッチができないって、引導を渡したくせに!」と思わず平手打ちを。
「人として好きだなんて、善意が溢れる言葉を口にしてから、心臓にナイフを突きたてたんだ、おまえは!
軽蔑されたり、不快感を露わにされたほうが、分かりやすいだけましだ!
『好きじゃない』ってただ返事すれば、よかったろ!
わざわざ『エッチできない』なんて、俺を全否定するような残酷な言葉を突きつけやがって!」
失恋したことで、俺の胸には悲しみだけでなく、怒りが内包していたらしい。
重雄に似た男が勃起しているのに気づき、感情を爆発。
罵って責めながら、平手打ちをかましつづけて。
彼は呻いて痛がりながらも、悩ましく体をくねらせ、股からくちゅくちゅと水音を。
そういう趣味なのか、平手打ちされて体を跳ねるたび、俺のに擦りつけてヨガっているよう。
とうとう「くう、はうああ!」とぶっかけて、俺のズボンを濡らした。
どうやらノーパンだったらしく、着物の裾から覗かせた剥きだしので、擦りあげ射精したのか・・・。
そう造像すると、鼻血を噴きそうだったが、同時に急激に頭の熱が下がり「ごめん、ごめんよお」と泣き崩れてしまい。
「いいよ、いいんだよ」と宥めるように頬を撫でつつ、舌なめずりした彼は、俺にしがみつき横にころがって、また馬乗りに。
手早く俺の下半身を露わにすると、腰を浮かせて一気に丸丸飲みこんだ。
精液でてらてらするのを見せつけながら「ふう、く、ああ・・・!」と艶めかしく腰をゆらゆら。
「だめだ、こんなの、だめだ・・・!」と泣きながらも、萎えることなく「動きたい!」と訴えんばかりに性器がびくんびくん。
切なさが胸に広がるも、性欲も湧いてやまず。
着物を乱れさせ扇動的に腰をふるのに、どうにか耐えていたら、ふと彼が止まり、息を切らして曰く。
「好きだよ、春樹」
女物の着物をまとった別人だと分かりつつ、その瞬間、本物に見えて。
「嘘つき!」と涙を散らして叫んだなら、あとはもう欲望のまま。
腰をつかんで、一息もつかせぬよう突いて突いて突きまくり。
これまで俺の体を弄んでたいような彼が、突かれるたび精液を噴きだし、みっともなく悶え鳴いて。
でも、俺の怒りを煽るように、あんあん戯言を吐きつづけたもので。
「ああん、す、すきい、春樹、とお、エッチ、いっぱ、したあ、はひい、ひあ、ああ、しゅ、しゅき、はる、春樹、のお、愛の、証、ふああ、あん、あん、いっぱあ、俺に、ちょおだ・・・!」
急激に絞めつけられ、射精しそうになったとき。
「春樹!」とせっぱ詰まったような重雄の声が。
瞬きをしたなら、馬乗りの彼はいなく、俺の下半身も鎮静化。
上体を起こし、辺りを見回そうとしたら「だいじょうぶか!」と現代的な服を着た春樹が、肩を掴んで揺さぶって。
告白のあと俺と連絡がとれず、大学でも見かけなかったに心配して、探しまわったのだとか。
まわりに聞きこみをしていたとき、去年の秋の約束を思いだし「まさか桜に!」と呟いたら、その詳細を聞いた友人が教えてくれたという。
「噂では、その桜の下に行くと、女物の着物を身につけた思い人が現われる。
そいつに誘惑されるまま性交をしたら、精液と共に生気も吸いとられて死んでしまう。
その生気が木に注がれ、毎年、荘厳な桜が咲いているらしい。
ちなみに、桜に憑りついたそいつは、昔、桜の木の下で、かけおちする相手を待っていたんだと。
待ちつづけて悪霊になったんじゃないかってさ」
「いや、まさかと思ったけど、寝ていただけでよかった」と笑いかけられ、もう胸が傷むことはなく。
ぼんやりとしたまま「どうして、桜を咲かせつづけているんだろうな」と呟き「ん?」と重雄が振りむいたのに、顔を振った。
もしかしたら、かけおちするはずだった相手に桜を見せたいのではないか。
殺されかけはしたが、そう考えれば、一途な彼を愛おしく思えたものだ。
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