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「ここまではやっておくって約束したよね?」
「やろうとは思ったんだよ、でも1問目からつまづいちゃって、なんかやる気がなくなったというか・・・」
「ただの言い訳。こんなんじゃ、追試でも合格点もらえないよ」
「今度からはちゃんとやるってば」
「罰ゲーム」
「えっ?」
そう言った瞬間に前髪を上げられたから、うわっ、デコピンだと目を瞑った。あれ?痛くない、っていうか、これって。
「今、何した?」
「罰ゲーム」
「だから、何をしたの?」
「デコチュー」
「はぁ?」
私は思いっきり、ホズミンから距離をとる。
「僕の言うことを何でもきくっていうのが罰ゲームだからね」
この男、何を考えてるんだ?
「あれ、顔赤くなってるよ。なんでかな?もう一度してみる?」
私をからかうのが結構お好みらしいホズミンの目には、少し闇が入ってるように見えるのは気のせい?多分、これ以上はマズイ。私の本能が警告をしている。
「次回からはちゃんとやります。だから、そのゴメンナサイ」
「ちゃんと謝れていい子」
また頭をポンポンだ。
「1週間後の追試ではターゲットの点数をどのくらいにしようか?」
「そんな具体的にしなくても・・・」
「クリア出来なかったら、もっと重い罰ゲームにしようかな」
もっと重い罰ゲームって何?
「なんか期待しちゃってる?」
「してません。ちゃんと目標クリア出来るようにするし」
「それはそれで残念かなぁ」
追試までの毎日を必死にお勉強し、そのおかげか、「長谷はやれば出来る子なんだな」というお墨付きをもらったので、罰ゲームは無しになりました。
これって、良かったって思っていいんだよね?
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