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「おーい、久保」
室長に呼ばれ、話はそこまでになった。
「ちょっと来てくれる?」
「はーい」
デスクまで行くと、都築もまだそこにいた。
「これさ、ちょっと練り直しくれる? こいつ、しつこくてさ」
「えっ、検討してくれるんすか。やった」
「室長が根負けするなんて珍しいですね」
「まあ、こいつの言うことも一理あるからさ」
これ見よがしにその紙をひらひらさせながら、わたしは都築に文句を言った。
「もー、ただでさえ忙しいのに、余計な仕事増やさないでよ」
「わりー。頼むよ。その代わり、売り上げ倍増、約束するから」
「言ったな。ちゃんと覚えとくからな。そのセリフ」
わたしたちが言い合うのを横目で見ながら、佐藤室長がぼそりとつぶやいた。
「仲いいな、相変わらず」
「いやー、ただ付き合い長いってだけで。なあ」
「そうそう」
「とか言って、そのあうんの呼吸、ほとんど夫婦漫才だけど」
室長の言葉に、やめてくださいよー、とふたり同時に言ってしまう。
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