7・決心

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「本気で、お前とキスしたいって思ったってこと。お前が受け入れてくれたら、俺、ユキと別れるつもりだったんだ。もう、自分の気持ちをごまかしきれなくなっていたから」  都築は大きく息を吐いた。  そんなこと、ありえない。  一番に頭に浮かんできたのはその言葉だった。  都築がそんなこと言うなんて。  絶対にありえないと。  9年の片思いが成就した瞬間なのに。  なぜか喜びよりも戸惑いが勝っていた。  でも、それなら、どうして? 「でも……」  訊かずにいられなかった。 「どうして結婚したの。ユキちゃんと」  都築は少し言いづらそうに口を開いた。 「ユキが……妊娠してるのがわかったんだ。コンペのすぐ後で」 「妊娠? でも……」  都築とユキちゃんのあいだに子供はいない。 「ああ、そんで入籍を決めてすぐ……4カ月に入ったころだったけど。子供、だめになっちゃってさ」  わたしは思わず、手で口を押えた。 「そんな……知らなかった……」
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