7・決心

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 エレベーターが改札階に到着する。  わたしは先に降りた。  そのまま、無言で改札を目指す。 「朱利」    呼ばれても振り返らなかった。  ホームから発車を知らせるアナウンスが聞こえる。 「バイバイ、都築」  振りかえり、それだけ言うと、わたしは階段を駆け下り、閉まりかけたドアをこじ開けるように、地下鉄に乗り込んだ。  バイバイ、都築。    心のなかで、もう一度そう告げた。  わたしたちはたぶん表裏一体の間柄なんだ。  都築が表で、わたしが裏。  だから、どんなに求めても、向きあうことは初めから不可能だったのだ。  それがわかった今、わたしはようやく都築から卒業することができる。    吸い込まれそうに黒い車窓に映る自分は、ふっきれた顔をしていた。  それはけっして強がりではなかった。
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