7・決心

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***  待ち合わせ場所に急ぐと、千隼さんはスマホに目を落としていた。  近づくわたしに気づき、顔をあげた彼は、嬉しそうに眼を細めた。  それですべてわかった。  わたしはどれほど、この人を、この優しい人を傷つけていたのかを。  大事にしたい。  これまで、彼がわたしに与えてくれた愛情をわたしも返したい。   「ふっきれました。完全に」 「そう」 「今まで、ごめんなさ……」  最後まで言わせずに、彼はわたしを抱きしめた。  人が見ているのも構わずに。 「本当にいいんだね」 「はい」  好きです。千隼さんが。  他の誰でもないあなたが。  単色のイルミネーションで飾られた街路樹の下で、わたしたちは永遠に等しいほど長い口づけを交わした。  そして……  翌年の暮、都築とユキちゃん夫妻の間には長女が誕生した。  今でも時折、ふと、あのときの都築の言葉を思い出すことがある。  ――一緒になるか、裏切者に。  でも、もうわたしは……  けっして、その言葉に、縛られたりはしない。  だから、一点も曇りのない心で、わたしは都築に言った。  おめでとう、良かったね、と。 (完) *お読みいただき、ありがとうございました(^▽^)♡                    
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