セルリアンブルーの夜明け

第1話

表札と車を確認した女性は、そっと二階のベランダに視線を移した。
初秋の爽やかな昼下がり、ベランダには洗濯物が気持ちよさそうに風にそよいでいた。

女性は洗濯物を眺めながら、

『やっぱり......』

と心の中で呟いた。

洗濯物の中には、女性物の衣類と、小さなおそらく赤ちゃんの物と思われる真っ白な肌着が何枚も風に揺れていた。
女性はそれをじっと見つめた後、何かを決心したように踵を返し、
駅へと戻り始めた。