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店内は空いていた。
駅から少し離れたカフェなので、平日の朝はいつも空いているのだろう。
涼平がカウンターに行くと、男性の店員が注文を受けていた。
涼平はいつものグランデのコーヒーと、マフィンを一つ注文した。
男性店員は感じ良く対応し、すぐにトレーにコーヒーとマフィンを用意してくれた。
涼平は、空いた窓際の席に座ると、すぐに入れたてのコーヒーを一口飲んだ。
『やっぱり美味い!』
心の中でそう呟くと、マフィンを食べ始めた。
そして携帯を取り出し、ニュースなどをチェックしていると、カウンターの方から声が聞こえた。
「詩帆ちゃん、今度の日曜のシフト、変わってくれてありがとう」
「いえいえ。お子さんの運動会なんでしょう?」
「そうなんだよ。うっかり忘れてシフト入れちゃって、嫁さんに怒られちゃったよ」
先ほどの男性店員がそう言って笑った。
その言葉を聞いた詩帆という女性店員は、
「運動会、楽しみですね」
と言うと、棚の影から姿を見せた。
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