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独白
夢の一つを叶えた今も、僕はまだ未熟なままだと思う。
何を書いているのか、何のために書いているのか、書く意味があるのか、僕の中にはそんな問いが住み着いている。
ただ最近はその問いの一つの答えが見つかる予感がしている。
『何のために書くのか』
言葉にするには時間がかかるけれど、大切な答えの何かをこの手で掴んでいる。
僕が本当に小説を届けたい人、夢を叶えた僕の姿を見せたい人はもういない。
どんなに手を伸ばしても、叫んでも、走っても届かない場所にいる。
そんな世界で途方もない夢を追うことは、きっと計り知れない苦痛も伴う。だからもう一度貴女に逢う時は『夢が叶った』と胸を張れる僕でいたい。
割り切ったフリをしながらも、僕の脳裏にはいつも貴女の姿があると思う。
掛けられた言葉や過ごした時間を忘れることはないし、初めて感じた永遠の別れを告げる温度の感覚が消える日は生涯ない。
あの日病室で目にした貴女の顔も全て、今も僕の中にある。
どれだけの歳月を重ねても、貴女は僕の支えであり憧れ。
『書籍化』という夢を叶えた僕の次なる目標は『書籍重版』
また、僕の小説によって結ばれた暖かい縁の中で、何かを成し遂げたい。
『僕の小説の重版が決まった』
そう言葉にできた日には、またいい夢をみられるだろうか。
望み、叶えた夢の先で貴女との再会を果たせるだろうか。
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