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未来は「変えれない」
歩って帰っている途中に誰かが言った。
「そこのお兄さん。顔、暗いですね。」
ベレー帽のような帽子を少し深く被っている男だった。
「まぁ、色々あったんで、」
俺が返答をすると、
「過去。戻りたいんですよね?」
男は、まるで俺の過去を知っているかのように言った。
「やっぱり、当たってた。私、百発百中なんですよ。」
「さて、本題に入りましょう。」
「私、過去に戻れる薬を、様々な過去に戻りたいお方になんと、100円で売っているんです。」
まるで、嘘のような話だった。
俺は、過去に戻れるなら俺が犠牲に……
と、考えていた。
嘘みたいな話だった。
その話は、すぐさま俺の心を掴んだ。
俺は薬を1粒貰い、100円を直ぐさま渡した。
「でもそこでは、過去と同じ行動をしてくだ……!」
そんな声が聞こえた。
今の俺にはそんなこと、どうでもよかった。
妻を救える。
やっと希望の光が見えた気がした。
犯人を、この目で確りと見る為に。
そして、
俺が犠牲になる為に。
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