霧の都のヘブンズテイカー２ 〜《残され人》と卑怯者のボクシング〜

未来に続く道

　エディはブラッドフォードの小道を歩いていた。
　実家に続いている道である。

　あの日――父親のバーディと試合をしてからエディはボクシングのスタイルを変えた。

　基本であるアウトボクシングをブラッシュアップして防御に磨きをかけているのはもちろんだが、課題となっている攻撃への切り替えも意識することで勝ち切れる試合もぐっと増えた。
　おかけでカテゴリーも上がり、いまは六回戦のクラスで戦っている。

　デイズリーのジムは辞めた。
　あれだけエディをクビにしたがっていたデイズリーはエディが勝ち始めると、それまでの態度から一転、手の平を返したように契約更新を申し出てきた。所属の条件も大幅に改善させると言ってきたが、エディはあんたが嫌いなんだよと言って申し出を断った。

　いまはクラフトマンに紹介してもらったジムで練習をしている。