孤島の伝説

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岬の遥か遠くに、小さな孤島が浮かんでいる。 中央に塔のような岩がそびえ立ち、その回りを防壁のように岩礁がとり囲んでいる。 それはまるで、廃墟となった古代遺跡か、永遠に完成することのないまま放置された中世のゴシック建築のようにも見える。 波に削られた奇怪な岩のシルエットは、魔法で石に変えられて静かに島を守り続ける怪物(ガーゴイル)のようだ。 岩礁が途切れたところには洞窟があり、うるさく鳴き叫ぶ海鳥が、絶え間なく出入りしている。 水面からはうかがい知れないが、洞窟の入り口の海底には柱状の岩礁が、まるで古代ギリシャ神殿のように立ち並んでいる。 その神秘的な造形に、古代の神話や中世の伝説が脈々と語り継がれてきた。 かつては神聖な領域とされていたが、今では船底をガラス張りにした遊覧船が、日に幾度も行き交う人気の観光スポットとなっている。 5283ac60-f062-47d8-adec-4d0c0fb88490イラスト たやす
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