『Welcome to Wonder ”END” land』

14/30

26人が本棚に入れています
本棚に追加
/87ページ
「……俺が普通じゃないと思ったワンダーランドの常識は、眠りネズミにバターをつけてからパーティをする、だな……あれだけは理解出来ん」 「ブハッ」  ティンクの言葉にピーターが吹き出した。少し口を抑えて笑い声を抑えていたんだろうがそれも虚しくものの数秒で彼女は腹を抱えて大爆笑し始めた。  そんなに面白い記憶だったのか、少し首を傾げながらもピーターとティンクを交互にみていれば地面に蹲りながら呼吸困難になるんじゃないかってくらいに大爆笑をしていたピーターがゆっくりと立ち上がった。  そんなに面白いことが昔にあったのかと思っていればティンクは帽子を目深く被り直してこちらに背を向けてしまうのだから彼にとっても恥ずかしい記憶なのだろう。気になる、と言わんばかりの表情でピーターを見れば彼女は笑いが次第に収まってきたのか少し呼吸を整えながらこちらをみてきた。 「ティンクが初めてこのネバーエンドランドにきたばかりの頃に案内してたら、その時に帽子屋役のヤツに捕まっちゃってさぁ。  見た目通りの男だからティンクは。意味がわからないルールを押し付けられて理解出来ないからって、あははっあは、あははははは!!持ってた銃をぶっ放して、帽子屋役も、三月うさぎ役も………終いにゃ眠りネズミ役までテーブルにあったナイフで殺しちゃってさぁ!あはははははは!!!あんな狂ったことしたやつ初めてすぎて、僕大爆笑したもん!!今思い出しても面白ぇよねー!!」
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加