『A Mad Tea – Party』

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 無惨に割れてしまったソーサー達をなんとも言えない顔で見ているピーターは嫌そうな顔をその男に向けると「三月うさぎぃ……」と嫌悪丸出しの声を漏らしている。だが、男はそんなピーターを見つけると一瞬動きを止めてから更に笑顔を深めるように顔を歪めて首を傾げるように横に倒した。それが不気味で思わず杏里はピーターの後ろに隠れるように移動してしまった。 「あひ……?あは、あはは!!ピーターじゃぁないかあい!?!?!?!  お茶会?!お茶会?!?お茶会だろぉ!?!?!今日はなんでもない日だぜ!!!!!さぁ!!!!さぁ、サァ、さァサぁさぁサァさぁさぁさぁあ!!!一緒にアソぼう!!!!」  割れたソーサーやカップなんて気にもせずにピーターに顔を近づける男にピーターはどこか呆れた表情を見せた。怖くないのか、なんて震えた手で彼女の服の裾を掴んでしまったがこちらのことなんて気にしていない様子で二人は会話を続けた。 「残念だね、今日はウェンディが来た記念日だから僕はお茶会には参加しないよこの子も見学に来ただけだからお茶会には誘わないでおくれよ」 「キィアハッハッハッハッハッ!!茶会茶会茶会茶会ぃ!!!!」  狂ったように笑い庭の奥へと、家の方へと走っていく彼を見送りながらもなんとも言えない表情を浮かべながらもう一度ピーターを見れば嫌そうな顔を浮かべながら頭をポリポチとかいている。 「あれは三月うさぎ。見ての通り大人なんだけど、色々あってちょっと役にのめり込みすぎててさぁ。  僕は手につけられないからアレの手綱は帽子屋に任せてるんだよね。まぁ、このワンダーランドの中だけでなら何してもらっても大丈夫だし、規約違反は起こしてないから役としては立派なもんってことね」 「そ、そうなんだ……帽子屋の役も大人?」
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