『A Mad Tea – Party』

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「な? おかしな奴らだろ。  会話してたら話が一転二転なんて当たり前だからさ、鵜呑みにしないほうがいいよ」  なるほど。言う事を聞くなとは、話を間にウケるな。という事なのか。変に身構えた自分がアホらしく感じてしまって恥ずかしい、なんて思いながら杏里は少し脱力した。 「ティンク遅いなぁ、もうそろそろこっちについてもいい頃合いだと思うんだけど」 「え、待ってるの?」 「そりゃね。アリスが此処に来ないなら、もしかしたら双子たちも女王のパーティの方には行ってないかもしれないし。  あの双子や白うさぎのところに行くならティンクがいたほうが気が楽だよ。あいつら大人だし」  いやんなっちゃうよね。と言いながらまるでベッドのように椅子を倒して寝転がるピーターに帽子屋が「おや?」と声を漏らした。 「今回の双子は子どものはずだが?」  そう言った帽子屋の言葉にピーターは眼をパチクリとさせて、そして怪訝げに顔を歪めると信じられなさそうな雰囲気を醸し出した。  そんなピーターの反応に意外だと目をパチクリとさせた帽子屋はモノクルを胸ポケットに入れてまたソファに腰を下ろした。今度はとても柔らかそうな、いや。実際にやわらかいのだろう、帽子屋が沈んで顔の半分しか見えないほどに柔らかいソファに腰を落としている。 「トゥイードル兄弟だよな?」 「あぁ。赤の女王から罰則が下った。首を刎ねられたのだよ。  とても適切な判断だった。君が連れてきた立派な少女が立派な女王として国を動かしている。イヤ、実に素晴らしい」 「因みに罰則理由は?」 「飲酒喫煙さ。前回の双子はクロスフェードから連れてこられたらしいが………」  と、そこまで話したところで帽子屋は「おっと」と口を閉ざした。  ピーターもチラリと杏里を見てから小さくため息をつくと帽子屋に「また今度聞きに来るよ」とどことなく面倒臭そうに声を漏らした。
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