いつもの風景

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 夢を見た。22歳の時に付き合いだした初めての彼氏との悪夢。  最初は仕事の愚痴を聞いてくれる何でも話せる同僚だった。  いつしかお互いに異性として意識し始め彼からの告白でお付き合いを始めた。  三度目のデートで彼の家に行った。  初めて異性に裸をさらした。  その翌日からだ。彼が冷たくなったのは。メッセージを送っても返事はおろか既読も付かず。社内で会っても無視をされ。  気付けば他に女が出来ていた。  どうにか彼と仲の良い同僚経由で話を聞くと、体の相性が悪いとかなんとか。  そんなものなのか。傷つくより先に恋心は冷め、呆れてしまった。  関わらなければいい。そう割り切って仕事に打ち込んでいたのにその「元」彼は浮気相手の女に飽きたとたん私に言い寄ってきた。それを嫉妬した女は私に嫌がらせを始めてきたので、逃げるように会社を辞めた。  「……!」  スマホを握ったまま寝ていたらしく、スマホの通知の振動で目が覚めた。  気分が悪い。飲みかけのチューハイを台所に流して冷蔵庫から水を取り出し飲んだ。少しだけ悪いものが流れていく感覚がした。 先ほどのスマホの通知を確認すると大原さんからメッセージが来ていた。 『こんばんは。夜遅くに失礼します。倉ちゃんが言ってたんだけど、明日産業医が来るんだって。ストレスチェックの紙渡し忘れたって言ってたから写真で送るね』  普段のフランクな美魔女先輩からは想像もつかない礼儀をわきまえていてシンプルなメッセージが出会ったころのクールな彼女を思い出させる。仲良くなった今では抱きついてきたりもするが。  お礼を送信しストレスチェックに答えていく。  ストレスチェックに答えることで今の自分と向き合うことができ、徐々に先ほどまでの嫌な気分が薄れていくのを感じた。    
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