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もちろん、探したって"ふもと"なんてものはない。
「ねぇ、遥人はなんてお願い事をするの?」
ふわふわと頭を揺らしたまま、振り返らず遥人は答えた。
「あのね、お母さんと、沢山遊べますように」
こんな私を、この子は必要としてくれている。
「よぉ〜し、その願い、叶えましょう〜っ」
後ろから遥人を抱きしめくすぐると、遥人はキャッキャと笑いころげた。
そして私の顔を見上げた。
「お母さんは?お母さんも願い事して」
遥人の頬を両手で包んだ。少しぷにっと押してみる。
「遥人とずっと一緒に居られますように」
遥人はぷにっとされた顔のまま「その願い、叶えましょ〜!」そう言って、また笑った。
「じゃあ、これからもよろしくね、遥人」
「うんっ!!」
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