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◆ ◆ ◆
「君、この前の子だよね?」
小林くんはすぐに見つかった。背が周りの小学生より大きいからだ。
私が近くに行くなり気が付いて、すぐに声をかけてきた。
まさか、向こうから話しかけてくるなんてビックリする。
「木村優希です。あの、小林くんが事故現場でなにか特別なものを拾った、って噂は本当なの? ウソじゃないよね?」
単純に「見せてほしいの」と言おうとも思ったけれど、私はすこし頭を使った。
ウソじゃないの? と疑うことで、プライドの高い人は逆に自慢がしたくなるらしい。どこかの心理番組でやってた。
「ウソじゃないさ、ここにあるし」
そう言って、小林くんは自分のズンのポケットから銀色の指輪を取り出した。
ほら、引っ掛かった。小林くんもまんまと心理番組の罠にはまった。
まあ、ポケットに入れておくなんて、すぐになくしてしまいそうだけれど。
「女性だとは思っていた」
「へ?」
私の隣に立っている人物、すなわち佐々木くんが、突然言葉を発したことにより、小林くんはビックリしたようだった。
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