紗菜ちゃんの中の人と落とし物

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 ◆ ◆ ◆ 「これが正解とは思わないけど、これしか君の友人を救う方法が見つからない」  おばあさんが去ってからしばらくして、佐々木くんはそう言いながら、どこかに向かって歩き出した。  大通りから離れて、静かな住宅街を行くみたいだ。 「ねぇ、どこに行くの? どうするの?」  スタスタと歩く佐々木くんを小走りで追いかけると、私のランドセルの中の色鉛筆がガチャガチャと音を立てた。 「君は少し質問が多い」  手に持った指輪を指でいじりながら佐々木くんが言う。 「だって、わからないんだもん」  ぜんぶ佐々木くんだけがわかってるみたい。  私は思わず唇をとがらせた。 「はあ……。――僕はいま、霊視をしてるんだ」  横に並んだ私の顔を見て、また深い、それはそれは深い溜息を吐いて、佐々木くんはぼそりと言った。  それから「ああ、霊視ってなに? って、どうせ聞くんだろう? 幽霊を通してものを見てるってこと」と付け足した。  ちょっと嫌な感じ。  たしかに霊視って言葉、私にはわからなかったけど。 「なにが見えるの?」
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