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「ぁあああああぁああ゛！」
それは突然のことだった。
「きゃあっ！」
紗菜ちゃんが急に大きな声で叫び出して、私と綾ちゃんは怖くなって席からガタンと立ち上がった。
叫びながら、紗菜ちゃんが椅子ごと後ろに倒れていく。
「あ、綾ちゃん、どうしよう……っ？」
「ど、どうするって、どうしよう？」
後ろに倒れて白目になりながらバタバタと暴れる紗菜ちゃんを見て、私と綾ちゃんはパニックになった。
「あ、あたし、先生、呼んでくる！」
結局、綾ちゃんが教室から飛び出していって、私は紗菜ちゃんと教室に残された。
そして、気が付く。
紗菜ちゃんが静かになっていた。
「紗菜ちゃん……？」
恐る恐る彼女に近付いて、上から顔を覗き込んでみる。ゆっくり、ゆっくりと。
「ひっ！」
ガバッと紗菜ちゃんの顔が一気に私の顔に近付いた。
「……返し、て……」
掠れた声で囁く紗菜ちゃん。
その目は白目のままだった――。
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