92人が本棚に入れています
本棚に追加
私も同じように足を止めて、家のほうを見てみる。
真っ白な壁に茶色の屋根の大きなお家。
名前のところには、まだ学校では習ってない漢字が書いてあって私には読めなかった。
「誰の家?」
本当にわからないから、また質問。
佐々木くんの知ってる人の家?
いや、でも、霊視ってやつで道を見て来たんだよね?
私がひとり頭をごちゃごちゃさせてると、佐々木くんは静かに口を開いた。
「女の人が結婚しようとしてた人の家」
って。
それから、全然、どうしようかなって気持ちを見せずに佐々木くんはインターホンのボタンを押した。
ピンポーンっていう音がする。
私は、あ、押しちゃうんだ? って思った。
「……はい」
少ししてからインターホンの向こうから男の人の声が聞こえてくる。
大人だけど若い人の声。
カメラがついてるから、佐々木くんと私の姿は向こうには見えているはずだ。
小学生がなんの用だろう? とか思われないかな?
最初のコメントを投稿しよう!