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「彼女の事を大切にしたくて」
「嘘はやめろ。ストーカー」
「リク!山城さんはストーカーなんかじゃ」
山城さんをみればため息をついて腰に手を当てリクを見ている。まるで…だから?と言わんばかりに。
「警察呼ぶ?でも棗は俺の物だ!!誰にも渡さない!!!」
「うわっ!?」
腕を掴まれ引き寄せられて抱きしめられる。俺は…どうしていいかわからず呆然としてしまう。だって山城さんは俺が悲しかった時すぐ来てくれて抱いてくれてそれで、それで…俺は山城さんの背中に手を回して擦り寄る。
「ナツメ…!」
「だって山城さんは俺の唯一の理解しゃ…」
そう言ってしまった瞬間リクは一瞬悲しそうな顔をした。俺は一番近くに居た一番の本当の理解者を蔑ろにしていたんじゃないか…
山城さんを突き飛ばしてリクの後ろに隠れれば守るように手を出してくれる。山城さんはゆっくり息を吐いて懐から折りたたみナイフを取り出して刃を出す。
「俺の物にならないなら死んでよ!!!」
山城さんが走ってきたがリクはそのナイフを持つ腕を払い退け頭を回し蹴りして山城さんは壁に顔をぶつけてずるずる座り込んで気を失っていた。
リクは警察を呼んで山城さんは逮捕された。なんだかんだ言って俺を抱く肉杭が一本減ったのはなんだか勿体ない気がしてしまう。
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