プロローグ

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プロローグ

誰もいないはずの音楽室から鳴り出すピアノの音。 存在しないはずのプールの七番目のレーンで泳ぐ男の子。 三階のトイレのいちばん奥から聞こえるすすり泣く声。 学校の中を歩き回る理科室の人体模型。 100年前からあるこの古い学校には、不思議な、怖い噂がたくさんある。 古い物には魂が宿る。 魂が宿った物はやがて意志を持って動きだす。 物も、動物も、人もーー。 そして、ある春の日。 わたしは出会ってしまった。 この学校の、いちばんの不思議に。
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