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「お前達、互いの事を気にしすぎてる」 突然言われた一言。 気心知れた人から言われた言葉。曖昧な言い方だったけど、心当たりがある僕達は何も言い返せなかった。 隣であなたの顔が曇る。嫌な予感が胸を占めた。 確かに僕は、あなたと心が通ったことで浮き足立ってたかも知れない。 でも……… ………これで二人の想いを諦めることはしないで 願いがあなたに届くように、必死で念じていたのに……… あなたは、いつもにまして夜遅くまで部屋に戻らなくなった。 僕との時間を、あえて減らしているように…… 僕には、それが不安で仕方ない。 ある日、とうとうその不安が溢れだした。 その日も僕を避けるように、部屋に帰る様子を見せないあなた。 「まだ帰らないの?一緒に帰ろうよ」 「もう少しだけ………お前は先に帰っていいから」 「………わざとだよね」 「…………」 「僕を避けてる」 「避けてなんてない……ただ……今は大事な時だろう……」 「………僕達のことより、大事なことなんてない」 言い切った僕に、あなたが初めて背を向けた。 「…………少し大人にならなきゃ」 「大人って………」 続く言葉が出ずに、あなたの横を通って外に出た。 いつの間にか降っていた冷たい雨が地面を濡らしている。僕は気にせず歩き出す。 夢の為にあなたとの事を我慢するのが大人になることなら、僕は大人になんてなりたくない……… 濡れた身体は急速に冷えていく。 歩くことしか出来ない僕は、気がつくと知らない場所に一人で立っていた。
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