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僕達は宣言通り、夢に向かって更に集中する日々を過ごした。 お互いの気持ちは変わらないけど、抑える方法を学んでいく。 あなたの笑顔を見れるなら、半径1メートル以内にあなたを感じられるなら……… 確実に登っていく階段。 努力が報われていく日々。 あなたの隣に立つことが誇らしく感じられる日々。 「寝ちゃったな…」 「寝かしておいてやろう…」 誰かの話し声に視線を向けると、ソファに踞るように眠るあなた。 …………疲れてる 子供のような顔で眠るあなたの隣に、起こさないようにそっと座った。 エアコンの風に、服の袖がヒラヒラと揺れる。 僕はシャツを脱ぐと、あなたの身体にかけた。 忙しい合間の、ほんの短い時間。あなたの眠りを妨げるものがないように……… 無意識の中で、あなたが僕のシャツを握ると口もとまで持ち上げた。 寝顔が更に柔らかくなる。 僕のシャツを抱き締めて、どんな夢を見てるの? 愛しくて………触れたくて……… 僕はソファの背に凭れると、目を閉じた。 いつか……… あなたを抱き締めて眠る毎日が来ることを願いながら………
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