初月……始まり

9

一つの大きな目標を達成した日。

前を真っ直ぐ見て、誇らしげに立つあなた。

その横顔が綺麗で儚くて………

この瞬間を切り取って永遠に残したいと思った。

あなたの笑顔、泣き顔、拗ねた顔………

怒った顔に、真剣な顔。

どの瞬間も僕にとって、なくてはならない宝物。

そして手に入れたカメラ。

常に持ち歩きカメラを回す僕に、

「お前の専属モデルは僕だろう？」

嬉しそうに話すあなたを見て、わざと別の人を写す。

口を尖らせて、カメラの前を行き来するあなたが可愛くて………

毎日一緒にいるのに、更にあなたを残しておきたいと思う僕は、どうかしてるのかな………

一日の終わり、ベッドで今日のあなたを見返して頬が緩む。

口一杯にホットドッグを入れて、カメラを向ける僕にも食べさせようと手を伸ばしてる。

唇の端にケチャップつけて、「マジで旨いから」って目を大きく開いて。

こんなに幸せな気分で眠りにつけるのは、全部あなたのおかげ………

明日はどんなあなたが待ってるんだろう……

10年後、20年後……二人で思い出して笑い合えるその日まで、僕はカメラを回し続けるよ。