詩 そんなあなたのためならば

「怖くない　あなたのためなら命だって落とせる」

　大嫌いだけど信用できる
　あなたはそんな存在

　目が離せなかったから
　誰よりも知っている

　気がついたらあなた専用の専門家

「ひるんだりしない　この決断は何があっても変わらない」

　理不尽に虐げられる人々を見て怒った顔
　圧倒的な壁を前にして抗うことを決意した顔

　誰かの幸せを守り抜いて優しく笑った顔
　親しい人の最後を見届けて悲しむ顔

　あなたに関する事なら　なんだって記憶に残っている

「後悔したりしない　それで守れるものがあるから」

「理由を言うまでここをどかない」　その心情も
「いかせない」　その固い決意も
「もう仲間を一人だって失いたくないんだ」　何を大切にしていて
「満足げな顔して自助犠牲に向かっていくやつは嫌いだ」　何が受け付けないのかも

　みんな知ってる

「大丈夫、私もあなたが嫌いだから」

　一つだけ嘘をついてごめんなさい
　過去系で「だった」の

（だから怖くはない　そんなあなたのためならば）

（命だって　落とせる）