【1章】AIの失踪

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 2076年現在、一昨年までAI管理下に置かれていた日本はその黒幕であったハイライズ社会長の逮捕を受け、次第に嘗ての日常を取り戻しつつあった。  歌手や作家などヒューマノイドのクリエイターが占めていた文化芸術面も生身の人間が再び携わるようになり、これまではカプセルが主食だった食事も徐々にだが実物の食べ物を提供する店が増えてきている。  けれど長きにわたりAI優位の社会によって娯楽を奪われ、不自由な生活を強いられてきた多くの人々は、以前にも増してAIを"ただの物"のように扱うようになった。
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