THE BODY

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 三人は火葬場に戻り、棺桶を開けて遺体を調べ直した。女性のシャツを捲ると、そこには切開の跡があった。他の遺体も同じように切り刻まれ、体内が空洞になっていた。 「内臓が抜き取られてる」とガイはそう言った。「臓器売買か」 「何てこった」ダンは眩暈のようなものを覚えた。 「内臓と血液、一部の骨が抜き取られてる」ガイは言い、切開痕を注意深く観察した。「女性で血液が四キロ、内臓が五キロ、骨を合計すると約十キロ。つまり、一つの棺桶で二十キロ近くも軽くなっていた。だから、二人が入ってるのに気付けなかったんだ」 「町ぐるみの犯行か?」 「オーナーの口ぶりからすると、そうだろうな」ガイは言い、親指の爪を噛んだ。「テオに話を聞きに行こう。彼が全てを知ってる筈だ」  ガイが先頭で事務所に突入し、デスクに座ったテオの元へ向かっていった。 「あんた、遺体の臓器を売ってたな?」ガイはそう言い放った。「リバー葬儀社に行ってきた。言い逃れは出来ないぜ」  テオはコーヒーを一口飲み、デスクにマグを置いた。 「仕方がなかったんだ」テオはそう言った。「町を存続させる為には、この方法しかなかった。全てはボディの未来の為なんだ」 「他の奴等は知ってたのか?」 「事実を知らないのは、下働きや君達のような火葬技師達だけだ」 「町のお偉方は知ってたって事だな」ガイは言い、テオを睨みつけた。「犯罪を見て見ぬ振りしてきたのか」 「知らなければ誰も傷つかない。そう思わないか?」テオはそう言った。「住民の殆どは火葬場に従事している。そんな彼等の職を奪うつもりなのか? 君達だって、働き口を失ったらどうするんだ?」 「だからって――」ダンはそう言ったが、尻切れトンボのように語尾は掠れた。 「故郷をみすみす廃墟にしたくはないだろ?」テオはそう追い打ちをかけた。「分かってるだろ。もう後戻りはできないんだよ」
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